肥満と肥満症|レプレ/吉祥寺・神保町(御茶ノ水)

LEPRE式カラダ辞典

肥満の現状

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

肥満

肥満ってどういうこと?

症候性肥満
原因となる疾病があり、二次的に肥満となる場合を指します。肥満の5%が症候性肥満と言われています。
例えば、Cushing症候群(コルチゾールの過剰分泌)や
甲状腺ホルモン・成長ホルモン・性ホルモンの分泌不全症に起因する肥満など、その原因疾病は様々です。
単純性肥満
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るために起こります。肥満の95%が単純性肥満です。
日本では過去20年間、一日の栄養摂取量はほとんど変化していないのに、肥満者の数は増加しており、
そのため、運動不足による消費エネルギーの減少がその主な原因と考えられています。
個人的には、カロリに変化がなくても、食事の中身にも問題があるのではないかと思いますが…。

肥満症

肥満が疾病であるのか、あるいは疾病のリスクがあるのかについては、世界各国で長年にわたり議論されてきました。
肥満によって様々な健康リスクが増えるのは間違いありませんが、肥満であっても健康な人が大勢いるのも事実です。
そのため、この議論に関しては、未だに結論が得られていないのが実情です。

その中で、肥満に起因、ないし関連する健康障害を合併するか、その合併症が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態を「肥満症」と言います。
単なる肥満と区別され、疾病単位として取り扱われています(日本肥満学会)。
肥満症の概念は「治療をすべき肥満」。言い換えると、減量をすることで様々な健康障害の改善が期待できる状態を指しており、
例えば健康な状態で皮下脂肪をたくさん蓄えている人は病気ではないという考え方です。

日本では、「肥満は軽度なレベルであっても、代謝異常や欠陥病のリスク、睡眠時無呼吸のリスクが増加する」として、海外に比べても厳しく肥満を捉え、肥満症という疾病単位を世界に先駆けて提唱してきました。
肥満者では、糖尿病、脂質異常症、変形性膝関節症、月経異常などを合併することが多く、また、肥満に伴う様々な代謝合併症、血管合併症が特徴づけられており、直接的な肥満との因果関係がなくても深い関連があるという意味で、胆石症、静脈血栓塞栓症、気管支喘息、胆道系や大腸、乳腺、子宮内膜の癌が知られています。

肥満に起因ないし関連する健康傷害(日本内科学会雑誌 第104巻 第4号 p688)

  • 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 高尿酸血症・痛風
  • 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
  • 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
  • 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
  • 月経異常、妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産)
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
  • 整形外科的疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症、腰痛症
  • 肥満関連腎臓病

なお、肥満は、脂肪の蓄積部位により内臓脂肪型肥満皮下脂肪型肥満に分類され、
そのうちの内蔵脂肪型肥満はメタボリックシンドロームの原因であり、多くの疾患の元凶となります。
現在、内臓脂肪面積100m²を超える内臓脂肪型肥満が肥満症と診断されています。