協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク
ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドロームは、運動器症候群ともいい運動器の障害により日常生活での自立度が低下し要介護の状態や要介護の危険のある状態をいいます。
ロコモティブシンドロームの進行はとても緩やかで、本人が運動機能の低下に気づかないということも少なくありません。
現在、ロコモティブシンドローム、またはその予備軍は
全国に4700万人で40歳以上の男性の84%、女性の79%を占めます。
ロコモティブシンドロームになる主な要因は、
- 足腰の筋力の低下
- バランス能力の低下
- 骨や関節の病気
です。
足腰の筋力やバランス能力の低下については、出来るだけ若いうちから筋力トレーニングを取り入れることでかなりの確率で予防することが出来ます。
またロコモティブシンドロームになってしまっても運動やトレーニングで症状を改善することが出来ます。
一方、骨や関節の病気は高齢者がかかりやすい
「変形性膝関節症」「変形性腰椎症」「リュウマチ」などがあります。
このような病気が疑われる場合は早めに病院で治療を受けることが大切です。
ロコモチェック
ロコモティブシンドロームの判定の目安となるチェック項目があります。
- 片足起立で靴下がはけない
- 家のなかでつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 横断歩道を青震王で渡りきれない
- 15分くらい続けて歩けない
- 2kgくらいのものを持って歩くのが困難
- 掃除機やふとんの上げ下ろしなどのやや重い家事が困難
これらの一つでも当てはまるものがあればロコモティブシンドロームと判断されます。
運動器の機能低下
運動器を構成しているのは、カラダを支える骨、カラダを動かす関節軟骨、脊椎の椎間板、動力や脊椎・関節の安定をはかる筋肉、それらに関わる神経系です。
これらは単独の症状としてもみられますが高齢者ほど複合する傾向があります。
主なものは、
- 関節や背部の痛み
- 関節や脊柱の変形
- 関節や脊柱の可動域の制限
- 下肢、体幹の筋力低下
- バランス能力の低下
などです。これらが一定上の障害になったり複合すると歩行機能の低下となります。
軽症は「歩行が自力で可能」、中等度は「歩行に杖、歩行器等の解除が必要」、重症は「歩行に人の介助が必要・または歩けない」となります。
ロコモティブシンドロームを防ぐトレーニング
ロコモティブシンドロームの対策の基本は運動器を正しく上手に使うことです。
ただ運動やトレーニングをするのではなく膝や腰などへの負担を考えた運動が大切です。
単独歩行が困難になる方は下肢の筋力が弱く、片脚立ち時間が短くなります。
下肢の筋力は、歩行だけではなく、イスから立ち上がったり、階段を上ったり、トイレ動作など生活にはかかせない動きを担っています。
日本整形外科学会も開眼片脚起立訓練とスクワットを勧めています。
ただし、中高年の方は運動能力に個人差が大きいため
パーソナルトレーニングなどで個々に合ったトレーニングになるようにパーソナルトレーナーに見てもらうのが好ましいです。
また、運動やトレーニングは継続することが重要であるため、
1度のトレーニング負荷を上げるのではなく徐々にカラダに合わせて負荷を増やし、長期的に見たカラダの改善を行ったほうがよいでしょう。
資料:
ロコモティブシンドロームの概念 医学のあゆみVol.236 No.5 中村耕三
ロコチェックの運動機能定価の予見性と、ロコトレの運動機能改善効果 医学のあゆみVol.236 No.5 石橋英明
筋肉革命 人生を楽しむ体のつくり方 石井直方