協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク
一般的なストレッチの効果
ストレッチには、
- ゆっくりと筋肉を伸ばす「スタティックストレッチ」
- 反動動作を利用する「バリスティックストレッチ」
- 筋力発揮をともなう「ダイナミックストレッチ」
など様々なものがあります。
共通している効果は、筋肉の余計な緊張を取り除き、関節可動域を広げるということです。
ストレッチによる筋力低下
スタティックストレッチはいわゆる一般的に言われるストレッチで、静止状態でじっくりと筋肉を伸ばすものですが、
スタティックストレッチの前後で筋力測定をすると筋力が最大で約30%も低下することがわかっています。
筋肉には筋紡錘という受容器があり筋肉の長さを検知しています。
筋紡錘が伸ばされると運動神経の活動を増強し伸ばされた筋肉の活動を高めるように作用します。
これを伸張反射といいます。
筋紡錘のなかにも錘内繊維と呼ばれる筋繊維があり筋紡錘の感度を調節しています。
スタティックストレッチにより、筋肉の緊張は緩むものの伸張反射と錘内繊維の連携がうまくはたらかなくなり筋力が低下する可能性があると考えられます。
カラダは柔らかければいいわけではない!
いろいろな研究結果から、
「関節可動域が極端に狭い場合には障害の原因になるが必ずしも関節可動域が広いことが障害を防ぐ要因にはならない」ということが言えます。
むしろ、関節可動域が広すぎると関節がゆるんで、逆に障害の危険性が増します。
肘や膝が逆方向に屈曲したり、肩関節や股関節がゆるすぎて抜けやすい(脱臼など)といったことです。
体操選手は関節可動域が直接パフォーマンスに影響してきますが、
一般の方はそこまでの関節可動域は必要なく、むしろある程度筋肉で抑えられている方が障害は防げると思います。
資料:究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり 石井直方