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横紋筋について

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

筋組織の種類と分類で、筋組織には、光学顕微鏡で明帯と暗帯の縞模様が観察できる横紋筋と、縞模様がない平滑筋があることをご紹介しました。
今回はその横紋筋について、もう少し詳しくご紹介します。

横紋筋について

細胞学者、組織学者、生理学者たち

骨格筋や心筋をグリセリンに浸し、細かくほぐして光学顕微鏡で観察すると、
明るい部分と暗い部分が規則正しく配列した縞模様が見えます。
この縞模様は「横紋」と呼ばれ、この横紋を持つために骨格筋と心筋は横紋筋というカテゴリーに分類されます。
(内臓平滑筋や血管平滑筋などは横紋が見られないため、「平滑筋」と分類されます。)

横紋筋の縞模様はまさしく幾何学的造形の美しさです。
初めて光学顕微鏡で横紋筋を見た時の科学者たちの驚きが、目に浮かびますね。
骨格筋に横紋が見られることは、かなり以前から細胞学者、組織学者、生理学者たちに知られていましたが、
それが「どういうもの」で、「どういう働きしているのか」は良く分からないままでした。

横紋の構造

筋細胞

筋線維の中には、直径が約1μm(=0.001mm)の円筒状の筋原線維(myofibril)が
縦方向にぎっしりと多数配列して並んでいます。
光学顕微鏡で観察すると、1本1本の筋原線維はその走行に沿って一定間隔で仕切られています。
その仕切りになっている部分はかなり暗くみえる線で、Z線(Z膜)と呼ばれます。
そのZ線で仕切られた各部分には、全長にわたって、
明るい部分(明帯・light band)と暗い部分(暗帯・dark band)が規則正しく交互に配列しています。
縞模様すなわち横紋はこの為に生じています。

明帯は複屈折が弱く、光を通しやすいため明るく見え、光学的用語では等方性(isotropic)であるため、「isotropic」の「i」をとってI帯と呼ばれます。
一方、暗帯は複屈折性が強く、光を通しにくいため暗く見え、異方性(anisotropic)で、「anisotropic」の「a」をとってA帯と名付けられています。
I帯の中央に暗い(異方性の)線が見られますが、これが前述したZ線です。
さらにA帯の中央にはやや明るくみえる部分があり、これはヘンゼル帯あるいはH帯と呼ばれています。
またこのH帯の中央には細い明るい線が走っていて、これはM線(M line)と呼ばれています。(筋節の中ほど…「m」iddleに存在するため)
Z線からZ線までの1区間はサルコメア(sarcomere・筋節)と呼ばれ、横紋筋原線維の構成単位となっています。

筋原線維

光学顕微鏡だけでの観察では、横紋の微細な構造まではわかりませんでした。
そのため、これらのことは電子顕微鏡による観察で初めて明らかにされました。

これによって、骨格筋の筋原線維に見られるA帯、I帯、H帯、Z線、サルコメアが、
筋原線維を構成する、太いフェラメントと細いフェラメントの配列と対応づけられました。

さらに、筋原線維の断面を見ると、I帯、A帯、H帯に応じて
・細いフェラメントの6角形状の配列
・太いフェラメントが、6角形状に並んだ細いフェラメントの中心に位置した配列
・太いフェラメントの3角形状の配列
が観察されるのです。

筋原線維の断面